2025.09.12
【歯科医師が解説】インプラントは本当に安全?|リスク対策・費用・医院選びまで解説
インプラント治療のリスクと対策:安全な治療を受けるために
歯科インプラント治療は、外科手術を伴うため一定のリスクが存在します。特に、術後の感染症やインプラントの定着不良、長期的なメンテナンス不足によるトラブルなどが懸念されます。しかし、適切な知識と準備があれば、これらのリスクを大きく軽減することが可能です。
この記事では、インプラント治療に伴う代表的なリスクや注意点、そして長く快適に使い続けるための対策について解説します。この記事によって患者さん一人ひとりが自信を持って最適な治療選択が出来れば幸いです。
インプラント治療とは
歯科インプラント治療とは、失われた歯の根の部分にあたる「人工歯根」を顎の骨に埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。
しかし、この治療が成功するかどうかは、患者の体質、インプラントの質、そして施術を行う歯医者の技術と知識に大きく依存します。医療技術が進歩し、多様な方法が開発されている現代でも、インプラント治療の成果を最大限に引き出すためには十分な情報と知識が必要です。また、治療後の正しいセルフケアや定期的なメンテナンスも、インプラントを長持ちさせるための重要なポイントです。
リスク要因の種類
感染症のリスク
インプラント手術は、感染を引き起こす可能性があります。これは、手術中に細菌が侵入することで発生するリスクです。術後の感染は、適切なケアと衛生管理、予防策の遵守により大幅にリスクを減少できます。医師と患者が共同で予防策を講じ、術後のケアに細心の注意を払う必要があります。
神経損傷のリスク
下顎のインプラント手術中に神経を傷つけると、感覚の麻痺や痛みを引き起こす可能性があります。これを避けるためには、事前のCTスキャンやX線検査が重要です。これにより、神経や周辺組織とインプラントとの正確な位置関係を把握し、リスクを回避します。近年では、CTデータや歯型からコンピュータ解析により事前にインプラント埋入位置を決め、狂いなく施術する方法が頻用されるようになってきています。
喫煙によるリスクの向上
喫煙はインプラント治療の成功率を低下させます。タバコの成分は血流を悪化させ、組織の回復を遅らせます。そのため、手術の成功と長期的な予後を確保するためには、治療前後の禁煙が推奨されます。
骨と結合しないリスク
インプラント治療では、人工歯根と骨がしっかり結合することが成功の前提ですが、骨質が弱い場合や骨量が不足している場合、結合が不十分になることがあります。この状態ですとインプラントが安定せず、最悪の場合は再手術が必要になるケースもあります。事前の骨密度検査や骨造成手術の併用によって、このリスクを軽減できます。
金属アレルギーのリスク
インプラントの多くはチタン製ですが、稀に金属アレルギーを引き起こす方もいます。アレルギー反応が起こると、炎症や腫れ、違和感が長期間続く場合があります。治療前にパッチテストや血液検査を行い確認しましょう。
高齢でのリスク
高齢の方は骨密度の低下や全身疾患の併発により、インプラントの定着や治癒に時間がかかる傾向があります。また、服用中の薬の種類によっては治療に影響する場合もあります。年齢だけで治療の可否が決まるわけではありませんが、全身状態や生活習慣を考慮した慎重な検討が必要です。
対策方法
これらのリスクを最小限に抑えるために、以下の対策が効果的です。
適切な診断と計画
適切な診断と計画は、インプラント治療の成功を保証します。専門的な知識と技術を持つ歯医者を選び、十分なカウンセリングと検査を受けることが重要です。独自のニーズと健康状態に基づいて、最も適切な治療計画を立てます。
衛生管理
手術前後の口腔内と体の衛生管理は、感染症のリスクを減らします。それには定期的なクリーニングと適切なケアが必要です。専門的なオーラルケア製品と適切なケアをして、口腔内環境を清潔に保ちます。
アフターケア
インプラント手術後は、適切なアフターケアが不可欠です。インプラントの状態を定期的にチェックし、必要に応じてケアとメンテナンスを行わなければなりません。特に、インプラント周囲のソフトティッシュのケアとモニタリングは、長期的な成功の鍵となります。
インプラントはどれくらい持つ?
インプラントは適切なケアを行えば10〜15年以上使用できるとされており、中には20年以上快適に使い続けている方もいます。先ほどお伝えした内容にもあるとおり、インプラントの成功や寿命はさまざまな要因によって左右されます。
- 骨の状態:骨量が多く質が良いほど長持ちしやすい
- 施術の精度:埋入位置や角度が正確であるほど安定する
- かみ合わせの調整:過度な負担を避けることが重要
近年、歯科医療の進歩によりインプラントの定着率は非常に高く、10年後でも90%以上という調査結果もあります。下記が、インプラントを長持ちさせるために重要なポイントとなります。
- 骨の質・量の十分な確認(CT撮影や精密検査で事前診断)
- 経験豊富な歯科医師による施術
- インプラント埋入位置・角度の精密な計画
- 定期的な歯科検診の受診(年2〜3回が目安)
- 毎日の丁寧なブラッシング・フロス使用
- 生活習慣の改善(禁煙・食生活の見直し
- 噛み合わせや歯ぎしりの改善
このように、インプラントの寿命は、術前の適切な計画や術後の過ごし方次第で大きく変わります。手術にあたっての懸念点や、術後のケアについても十分に医師と相談の上、診察と検討を重ねてから手術を受けることをお勧めいたします。
【重要】安全なインプラント治療のための「信頼できる歯科医院の選び方」
インプラント治療の成功は、どの歯科医院を選ぶかに大きく左右されます。安全な治療を受けるために、カウンセリングの際に以下のポイントを確認することをおすすめします。
1. インプラントのメリットだけでなく、リスクやデメリットも丁寧に説明してくれるか
都合の良い情報だけでなく、起こりうるリスクや治療後の注意点、複数の治療選択肢についてもしっかり説明し、患者が納得して治療を選べるように配慮しているかは、信頼の指標となります。
2.歯科用CTなど、検査設備が整っているか
安全な手術計画に不可欠な歯科用CTが導入されているかは、必ず確認したいポイントです。検査結果をもとに、分かりやすく説明してくれるかどうかも重要です。
3.衛生管理・感染対策が徹底されているか
外科手術であるインプラント治療において、院内感染を防ぐ衛生管理は極めて重要です。使用する器具の滅菌レベルや、手術室の環境など、衛生管理体制について確認しましょう。
4.治療後のメンテナンスや保証制度について明確な説明があるか
インプラントは治療後からが本当のスタートです。定期的なメンテナンスの重要性や、具体的なプログラム、万が一のトラブルに備えた保証制度が整っているかを確認しましょう。
医療法人 創歯会 佐古歯科医院の特徴
個別対応
患者さん一人ひとりのニーズに合わせた個別の治療計画を策定いたします。患者さんとのコミュニケーションを大切にし、それぞれの状態とニーズに応じた治療を提供しています。
豊富な知識量
患者さんにインプラント治療のリスクと対策について十分に理解していただくため、分かりやすい教育と情報提供に注力しています。質問や不安がある場合は、専門のスタッフが丁寧に対応します。
アクセス
佐古歯科医院は、心斎橋駅(北改札)から徒歩1分の歯医者です。当院では、患者様に最適な治療サービスをご提供出来るように、スタッフ一同お待ちしております。気になる事がございましたら一度ご来院下さい。
まとめ
インプラント治療のリスクは存在しますが、適切な知識と対策でこれらのリスクを軽減することができます。安全で成功率の高いインプラント治療を受けるために、信頼できる歯医者と密にコミュニケーションをとり、十分な情報と知識を得ることが重要です。
私たちのクリニックでは、患者さん一人ひとりの健康と安全を第一に考え最高品質のケアを提供しています。
リスクと対策を理解した上で、自信を持ってインプラント治療を受け、美しい歯と健康な口腔環境を手に入れましょう。
備考
CTデータと模型から診断用プログラムにより手術計画を行います。
資料提供:Dentsply Sirona社

症例①

症例②
