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歯ぎしり

「歯ぎしり」は、無意識のうちに歯を食いしばったり擦り合わせたりする習慣です。特に夜間の睡眠中に起こることが多く、気づかないうちに歯や顎に大きな負担をかけています。本人が自覚しにくい習慣であるため、放置しやすい症状でもあります。これを放置したままにすると、歯の摩耗、顎関節症、さらには日常生活の質にも影響を与える可能性があります。この記事では、歯ぎしりの原因やリスク、治療方法、そして予防策について詳しく解説します。

歯ぎしりの種類

歯ぎしりや食いしばりには、いくつかのタイプがあります。
無意識に行っていることが多く、歯や顎に大きな負担をかけてしまうことがあります。

  • 歯をギリギリ擦り合わせるタイプ(グラインディング)
    これは最も一般的で、「歯ぎしり」と聞いてイメージされるタイプです。上下の歯を強く擦り合わせるため、「ギリギリ」といった音がすることがあります。このタイプは、歯がすり減ってしまったり、しみやすくなったりする原因になります。
  • 歯を強く食いしばるタイプ(クレンチング)
    音はほとんどしませんが、上下の歯を「グッ」と強く噛みしめるタイプです。日中、何かに集中している時などに無意識に行っていることもあります。強い力がかかるため、歯が割れたり欠けたりすることや、顎の関節に負担がかかり顎関節症を引き起こしたり、肩こりの原因になったりすることもあります。
  • 歯をカチカチ鳴らすタイプ(タッピング)
    上下の歯を小刻みに「カチカチ」と鳴らすタイプです。頻度は他のタイプに比べて少ないと言われていますが、これも歯や顎に負担をかけます。

厳密に言うと、これら3つだけというわけではありません。上記のタイプは、それぞれ単独で起こるだけでなく、複数のタイプが組み合わさって現れることもあります。例えば、寝ている間に歯を擦り合わせ、日中は無意識に食いしばっているといったケースです。

どのタイプであっても、歯や顎の健康に影響を与える可能性があるため、気になる場合は歯科医師に相談することをおすすめします。

歯ぎしりの原因

では、なぜ歯ぎしりが起こるのでしょうか?主な原因は以下の4つに分類されます。

  • ストレスや心理的要因
    仕事や生活の中で感じるストレスが、歯ぎしりの主な原因になることが多いです。特に夜間、無意識にストレスを解消するために歯ぎしりが起こるケースがあります。
  • 噛み合わせの不調
    歯の噛み合わせが悪い場合、歯ぎしりを引き起こす要因となることがあります。噛み合わせが整っていないと、歯や顎に余計な負担がかかります。
  • 睡眠の質の低下
    睡眠時無呼吸症候群や浅い睡眠状態が歯ぎしりを誘発することがあります。
  • 遺伝的要因
    家族に歯ぎしりの習慣がある場合、遺伝的にその傾向が引き継がれる可能性もあります。

歯ぎしりが引き起こすリスク

歯ぎしりを放置すると、次のような問題が発生する可能性があります。

  • 歯の摩耗や破損
    歯ぎしりを繰り返すと、歯がすり減ったり、ひび割れたりすることがあります。これにより、虫歯や知覚過敏が発生しやすくなります。
  • 顎関節症の発症
    顎に過剰な負担がかかることで、顎関節症を引き起こすリスクが高まります。痛みや違和感を感じることが多いです。
  • 頭痛や肩こり
    顎の筋肉が緊張することで、頭痛や肩こり、首の痛みが引き起こされることがあります。
  • 日常生活への影響
    歯ぎしりによる歯や顎の痛みが、日常生活の質を低下させる場合もあります。

歯ぎしりの治療法

では、歯ぎしりを改善するにはどうすればよいでしょうか?歯ぎしりの治療法は主に以下の2つがあります。

  • マウスピース療法
    最も一般的な治療法です。患者様の歯型に合わせて作られるマウスピースを夜間装着することで、歯や顎への負担を軽減するため、顎関節症の予防にも役立ちます。当院では患者様の歯型に合わせたオーダーメイドのマウスピースを提供しています。
  • 噛み合わせの調整
    歯ぎしりの原因が噛み合わせにある場合、歯科医院での調整が必要です。

歯ぎしりを防ぐための日常生活の工夫

歯ぎしりの予防には、日常生活での工夫が欠かせません。例えば、以下のような対策があります。

  • ・ストレス管理:趣味や運動でリラックスする時間を作る
  • ・睡眠環境の改善:快適な睡眠を確保するために寝具や室温を見直す
  • ・噛み合わせのチェック:歯科医院での定期的なチェック

歯ぎしりに関するよくある質問

最後に、患者様からよく寄せられる質問をご紹介します。

  • 歯ぎしりを自分で治すことはできますか?
    完全に治すのは難しいですが、ストレス軽減や生活習慣の見直しで改善する可能性があります。
  • マウスピースはどのくらいの頻度で交換するべきですか?
    材質やお口の状態、使用頻度によっても異なりますが、1年や2年程度は使用可能です。むしろ定期的なチェックを並行することが必要です。

歯ぎしりでお悩みの方

歯ぎしりは、そのまま放置すると歯や顎、さらには生活全般に影響を与える可能性があります。当院では、マウスピース療法や噛み合わせの調整を通じて、歯ぎしりの改善をサポートいたします。歯ぎしりが気になる方、周りの人に症状について言及されたことがあるという方は、ぜひ一度ご相談ください。